カルロス・ムニィスと根岸文子二人展。マドリッドLibrería Gaudíにて。

2024年4月中、マドリッド市内 calle Argensola 13/metro Alonso Martines の名書店Gaudíにて、カルロス・ムニィスと根岸文子の二人展をショーウィンドーで開催しています。

Librería Gaudíは1975年から続くスペイン・マドリッド市内の名書店です。考古学、建築学、芸術、装飾学、映画、鉄道、写真、軍事史、デザイン、ジュエリー、ファッション、環境デザイン、闘牛、そしてその他様々な本を扱っています。開店当時から、芸術家、文化人、大学教授などが集う書店でした。現在のオナーは初代オーナーの娘さんであるコンチさんです。いつも優しく対応してくれます。そして今でも多くの文化人が本を探しにやってくる場所です。コンチさんの話によると、日本からも多くの方が訪れるそうです。特に、スペイン文化、芸術を専門にしている日本人、大学の教授、時には頼まれて、本を日本まで郵送することもあるそうです。最近、日本人のお客様に『コンチさんは日本では有名人ですよ。』と言われたそうです。書店の中に入ると素晴らしい美術書が沢山目に入り、いつまででもいれるような雰囲気です。 スペースは奥も広く、スペイン、ヨーロッパの歴史書、軍事書、ヨーロッパの美術書、東洋の美術書、日本に関するものも多くあります。世界の庭の歴史、装飾文化、ありとあらゆる素晴らしい本に囲まれた環境です。定期的に、新しい本のプレゼンテーションや座談会、講演会などが行われ、直接作家と読者が出会うことのできる特別な場所になっています。私達も2023年4月21日にマドリッドで行われたNoche de los libros/本の夜と題されたイベントの日に、この書店で日本とスペインの文化について『旅』を題材にした座談会を行ったりもしました。それ以外にも、詩集、歴史書、エッセイなどのプレゼンテーションなどにも参加させていただいて、私達にとってGaudí書店は文化人の集う心地のよく本に囲まれた隠れ家のような存在です。変わりゆく現代社会の時間の中で、ここにいると全く違った時間の流れを感じることができます。オーナーのコンチさんの人柄や知識が溢れ出ているマドリッドでは特別な場所なのです。

彫刻3点はカルロス・ムニィスの作品です。日本の芸術、文化に大きな影響を受け、侘び寂びという美学、哲学が彼の大きなテーマとなっています。木材や金属そして顔料など、日本の伝統的な素材を使って、過去・現在・未来を表現しています。前の作品:タイトル/KOAN、木材と顔料、金属。真ん中の作品:タイトル/acrobata del Cairo, 木材と金属。後の作品:タイトル/ puerta falsa, 木材と顔料。

絵画は、根岸文子の作品です。タイトル/Yuku kawano nagare、絹にアクリル画。鴨長明作、方丈記の素晴らしい冒頭:行く川の流れは絶えずして、しかも本の水にあらず。淀みに浮かぶ泡沫は、かつ消えかつ結びて久しく止まることなし。世の中にある人とすみかとまたかくの如し。をタイトルにしています。時とはなんだろう。人の人生とはなんだろう。サッと過ぎ去る流れの中に生きる私たちの大切なものとはなんだろう。という日々の問いかけが私の人生の大きなテーマです。そして作品の制作を通して、もう一つの空間や時間を生きることができるような気がします。

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